甘いものは正義なんだよ! 今年聴いた曲名に甘いものが入ってるいい曲 [2019年版]
*この記事は、盟友なまおじ氏(@namaozi)企画の「楽曲オタク Advent Calendar 2019 - Adventar」12日目の記事です。現時点で既に11の名ライター達が名記事を持ち寄っていらっしゃいますので、そちらも(を)ぜひぜひご覧くださいませ…!
こんばんは。寒気殊の外か厳しき折、寒さがひとしお身にしみるころとなりました(時候の挨拶)。
普段文章なんて書きやしないのに熱量に任せて参加を決めてしまい、更には先人たちの名文連なる中に分け入ることには甚だ恐々としててちょっと吐きそうです。がんばります。
はじめに
下記ツイートは、本記事を書く題材探しをした際偶然に発見されたものです。
星にちなんだ曲 夏っぽい曲 春っぽい曲 雨の曲は自動的に好きなる脆弱性があります(自己紹介)
— 掛川 (@eomg_) November 8, 2019
誰だか知らんがいいことを言うなあ。
しかし、この名ツイートにも致命的な見落としがありました。
それこそが今回当方よりご紹介させていただく「甘いものにちなんだ曲」です。
甘味とは偉大です。お砂糖、スパイス、すてきなものをいっぱい。全部まぜると、むっちゃかわいい楽曲ができるわけです。パワパフすき パワパフZだいすき
その中より殊更今回は「曲名に甘いものが入っている」曲であることを条件に、今年(も)聴いたなあという曲を色々とご紹介をさせていただきます。多分みなさんご存知の曲ばかりだと思うので、新発見を期待するというよりは「ラジオやクラブで好きな曲が流れた」くらいの感じで読み進めていただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
(なお、あれもいいこれもいいと雑多な曲選をしておりましたところしっちゃかめっちゃかになってしまいそうでしたので、今回は女性声優楽曲オンリーとなります。てへぺろ。ぶひぶひ)
#1 パンプキンケーキ - 中島愛
収録:「TRY UNITE!/Hello!」(2012)、「B面コレクション+1(Thank You[初回版]Disc2)」(2014)
フライングドッグ10周年おめでとうございますシリーズその1。
甘いスイーツをテーマにかわいい曲を作るとなれば、当然イチャイチャラブラブソングになるのが世の常です。聖書にも古事記にも東大の赤本にもそう書いてあります。
「相手にとってのスイーツ(喜ばしいもの)になりたい」っていうのと「相手と作るスイーツ(嬉しい時間)」という二点を甘い甘いパンプキンケーキに擬えた名曲です。
シングル表題のスウェーデンイケメンハウスお兄さん謹製マジヤバ楽曲に関しては、リリース当初から今日にかけて延々語り継がれていることを確認しておりますので、言及を割愛致します。
#2 マーマレード - 牧野由依
収録:「マキノユイ。」(2008)
フライングドッグ10周年おめでとうございますシリーズその2(偶然)。
牧野由依さんの唯一悪いところは、今後牧野由依さんよりかわいい声を出せる声優さんはいないんじゃないかと思わせてしまうところですね(欧米風逆説表現)。
牧野由依さん2ndアルバムからの一曲です。ウィスパーボイス牧野由依の本領がガツガツ発揮されておりまして、Bメロ「ねえ~」から音程の落とし方とかフレーズごとの声の切り方とかブレスの機微とか、ともすればこの声こそが甘くてちょっと苦いマーマレードジャムそのものと言えるんじゃないでしょうか。言えますね。
ちなみにこの曲に関しては小泉今日子さんのカバーなので、そちらもぜひお聴きいただけますと幸いです。HiGH-LOWの小竹さんすき
#3 プラリネ - 坂本真綾
収録:「雨が降る」(2008)、「シングルコレクション+ ミツバチ」(2012)
フライングドッグ10周年おめでとうございますシリーズその3(偶然です)。
この曲に関して申し上げたいことはただ一つです。ありがとう鈴村健一。
#4 七色Cookie - 伊藤美来
収録:「泡とベルベーヌ」(2016)、「水彩 〜aquaveil〜」(2017)
私的「歌詞初っ端のフレーズがいい曲選手権」優勝ソングです。おめでとうございます。
可愛くってステキな きらきらでお腹いっぱいに なりたいな
あんたもそう思うだろ あんたも あんたも(画像略)
当時20歳の伊藤美来さんをイメージした楽曲とのことで、ご本人からも「女子力の高い曲」と紹介されていました*2。
曲自体に関してはどこかの睦月さんがいつもどおり周平して作られてるので、その辺りはもう聴いてください。
#5 ハニーアンドループス - 豊崎愛生
作詞:仁科亜弓 作曲・編曲:古川貴浩
収録:「ハニーアンドループス」(2017)
「(特定の)音楽ファン層に向けた声優の音楽活動」を比較的早い頃からやっていたという点においては、豊崎愛生さんソロって過小評価されすぎだと思ってます(愚痴)。
それはさておき。未来永劫代替不可であろう柔らかくハリのある御声には、スローなテンポとの親和性はもちろんのこと、けいおん!関連曲でもご存知の通り元気な曲ともバッチリハマる汎用性の高さがあります。
キッズ向け作品の主題歌として生まれた経緯もあり、曲名・歌詞共にノリや単語のイメージを重視して組まれているように察することができます*3。ハニーっつったら甘いよね!楽しいね!って。
#6 齧りかけの林檎 - 竹達彩奈
収録:「齧りかけの林檎」(2014)、「Colore Serenata」(2014)、「apple feuille」(2017)
(今まで通常版のジャケットしっかり見たことなかったんですけど、なんでひおたんはアッパーカット決まった後みたいなポーズとってるんでしょう…)
林檎のお姫様ことカロリークイーン竹達彩奈さん、当時初のアニメタイアップ曲です。曲名甘いもの縛りとしか言ってないので果物もセーフとします(プライドゼロ)。
巨匠・筒美京平氏楽曲でベースを弾けちゃった嬉しさから、僕らの沖井礼二氏がとんでもないベースライン(主にサビ)を組み上げてしまった稀代の名曲です。
古くから童話等でも取り扱われております通り、果物と少女性はなぜこうにもマッチングがいいのかという話です。竹達さんで言えば、ソロデビュー初期から何かと林檎をモチーフとして作品展開をされてきましたし、この辺も彼女のイメージを際立たせるのに一役買ったであろうというのは疑いようもなく。
林檎と言えば竹達、というイメージを作ったわけですね。なるほど。肉?
#7 アップル・ガール - 小倉唯
作詞・作曲:遠藤直弥 編曲:EFFY
収録・「ホップ・ステップ・アップル」(2019)
「あやな公国」 VS 「ゆいゆい*カンパニー*4」 仁義なき林檎抗争(2019~2019)の火蓋が切って落とされました。
言わばこれはポニーキャニオン陣営とキングレコード陣営の代理戦争です(対立煽り)。
って騒ごうとしたら周りそんなに言ってなかったので当時しゅんとした思い出があるんですけど、さておき聴いていただいて分かる通りめちゃくちゃ正統派なアイドルソングです。
林檎においては、とりわけアンタッチャブルであることのモチーフとして扱われますが、この部分と前述の少女性とが(日本的な)アイドルのお約束としての姿を彷彿とさせることは想像に難くないと思います。
あとこれは余談なんですけど、ゆいちゃんのライブマジでみんな行ったほうがいいです。ほんとに楽しいからマジで。
#8 チョコレイト・ブギウギ - petit milady
作詞:大西洋平 作曲・編曲:hisakuni
収録:「CALENDAR GIRL」(2016)
林檎抗争 相方参戦編です。
先ず以て収録アルバムがとても好きでして、
今回のアルバムは、1年間を12曲の楽曲で綴ったプチミレ流”カレンダーアルバム”!
4月から3月までの日常を、プチミレらしく、様々な視点、様々なテーマで切り取った作品となっています!(ユニバーサルミュージック・作品紹介ページより)
といった具合で、各月をテーマに(架空のタイアップがある設定も付け加えて)楽曲揃えましたという作品です。「チョコレイト・ブギウギ」は11曲目、2月の曲ということで架空のチョコレートの架空のバレンタインキャンペーンタイアップ曲という位置づけ。
ブギウギな進行のシンプルなAメロに乗るメロディや、随所に入るスキャットが所謂女の子らしい可愛さを存分に引き立たせていますが、そこに更に加わるお二人の声の要素(特に悠木さん)が凶悪なほど効果的です。
頭打ちのスネアが速いテンポと相まって、バレンタイン前の落ち着かない雰囲気を自然と思い浮かべることができるのもいいですね。
#9 Orange Note - 石原夏織
作詞:磯谷佳江 作曲:Re:nG 編曲:kz(livetune)
収録「Sunny Spot」(2018)
きゃりさんほんとすき今後一生何不自由なく過ごして欲しい
ゆいちゃんサイドも相方をご紹介せねばと思いつつ、いやもうキングレコードじゃないしとかいらんこと考えました。曲の良し悪しはコンポーザー名の欄を見て察してください。
石原夏織さんの演技は耳にする度「潔白」という言葉がぴったりというか、なに喋っても嘘っぽさが一切ないなと常々思わされます。谷川柑菜(あの夏で待ってる)にしても音城セイラ(アイカツ!)にしても、自らの感情に嘘を付くという所作が似つかわしくないことは見事に共通してますし、てーきゅうにおいても軒並みの異常者だらけの中一切ツッコミに回らない作中指折りの異常キャラクター(近藤うどん子)を演じきれたのは石原さんだったからであると思わざるを得ません。
歌声においてもそれは一切変わりませんし、主張の強い音色がきらびやかに響く当該楽曲でも少しも怯まない芯の強い性質と相まってより一層の説得力を放っているようにさえ思えます。
どれだけ真っ直ぐな歌詞を歌っても、それに疑いようが一切ないように感じさせることができる、この点において石原夏織さんは非常に秀でていると強く感じます。
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紹介は以上です。そもそも2019年全然関係ない上 最後の方特段甘いものすら関係なくなってすいません。僕も甘いものタイトルにした曲を作りたいなと思いました。
2019年的には、「○○のサブスク配信開始!」がトレンドに上り界隈内外問わず盛り上がる模様が多くあったなあというのが、過去より音楽ファンを曲がりなりにもやってきた身としての一番の特徴だったなと思います。
おかげさまで知らなかったいい曲に巡り会えることはもちろんのこと、その感想を共有するという楽しみ方が、より多くの方とできた(+今後もできるであろうという見込みが立った)のはとても魅力的でした。
一方でレコードは売上がどんどん伸びてるだとか、それでもCDはCDで出続けてるよとか、新譜はとりあえず配信から始めるよとか、カセットテープで出しちゃいましたとか、はたまた今度ライブやるから来てよって話も変わらず聞きます。
つまるところ、音楽を楽しむ為のたくさんの手段を受け手の任意で選べる時代になっているんだなあ、ありがたいなぁ(岩屋寺パン騒動)と肯定的な判断をしつつ、転じてこの混沌の時期においては「『楽しみ方を模索し続ける』という楽しみ方」を享受していけたら、それは幸せだなあと思うことにしようと思います。
現場からは以上です。前日までの記事をご担当の皆様方、素晴らしい記事をありがとうございました(めちゃくちゃ参考にしました)。以降の記事をご担当の皆様方、こんなへんてこ記事もございますので自由に書いていいと思います!(何様)
ここまでお読みいただきありがとうございます。みなさま体調にはご自愛の上、よい年末年始をお過ごしください…!